キャンピングカーひとり旅 松島編 5月30日(火)
連休が取れたので、ひとり旅を計画した。
今回も山形方面と考えたが前回と同じコースでは芸がない。
「ヨシ、今回は海を見よう!」
と決める。
私は実は『海男』なのだ。
海男というと、真っ黒に日焼けした逞しい漁師を思い浮かべるだろうが何のことはない
「海が比較的近い処で生まれた男」
なのである。
知る人ぞ知る、国立公園陸中海岸の宮古市で産声を上げたのだ。
300年以上前に霊鏡和尚が「さながら極楽浄土のごとし」と感嘆して名付けられた
『浄土ヶ浜』で幼少時代に泳ぎを覚えたのだ。
「ええぃ、控えおろう!」
と言っても誰も微動だにしない輩なのである。
挙句の果てに、海男と言っても日焼けすると肌がデリケートなせいで「真っ赤」になってしまうのが情けない。
「母ちゃん、痛いよ~!」
と小学生の頃、背中を真っ赤にし仰向けに寝れない時を過ごしたのだ。
そんな海好きな私は年に何回かは海を見に行く。少年のような瞳を持つ62歳のおっさんが私なのである。
そういうことで(?)
今回は海を見に行くをテーマとした。
遠くには行くまい。仙台近郊の「菖蒲田海岸」にまず行こうと決めて出発した。
1時間もかからず着いた。ここも震災で大打撃を受けたので以前とはく違う様相だ。堤防が出来、砂利ではあるが駐車場も出来上がっていた。
堤防に上がってみる。
「う~ん、潮の香りがする~」
やはり海はいい。
小一時間、堤防に腰かけて「ぼ~っ」と海を見て過ごす。
小さな子供連れの親子も微笑ましい。
キャンピングカーに戻り妻が作ってくれたオニギリとカップ麺をいただく。
「充分な昼食だ」
満足し、少し横になり昼寝をする。
これも至福の時だ。
ほどなく起き、菖蒲田海岸を離れ松島の高級ホテル「松島一の坊」に向かう。
『海を見ながら温泉に入る』という優雅なプランも今回、入っているのだ。
日帰り温泉で1,500円。ちょっと高いが平日の昼だから空いているはずだ。
5階の展望風呂に行く。予想通り、空いている。
空いているというより
「誰もいない・・」
「貸切でいいぞー!」
という感じじゃなく
「済みません、まだやってないんですけど・・」
という雰囲気。
「高い入浴料払ったからには充分堪能しなくては損」
とばかり、露天風呂で松島湾を眺めながら温泉に浸かる。出る。浸かる。
普通なら
「う~ん、最高だー!」
と贅沢な気持ちになるのだが何かそんな気がしない。一応、スマホで動画は撮ったが、居心地が良くない。
「さて、どうしたもんか・・」
と、思ったところで若い客が一人で入ってきたのを機に風呂から上がった。
マッサージ機を気休めに使ってみたが物足りない。
「ま、こんな時もあるさ」
と、今日の車中泊予定の手樽公園に向かう。
松島から15分程度の距離で近くにコンビニもあり便利な公園だが、
ほとんど知られていないようだ。
コンビニで夕食を買い、公園でゆっくりした時間を過ごした。
自由気ままに本を読み、飽きたら借りてきたDVD『スタンドバイミー』を見る。
夜7時過ぎには誰もいなくなった。
寝る前に大をモヨオシたので公園のトイレに行く。
小型の懐中電灯を持って行って正解だった。
「真っ暗だ!」
トイレの電気はついていない。ライトを照らしながら個室に入る。妻だったら間違いなくこう言うだろう。
「絶対、イヤ!!」
勇敢な私はスマホを見つつ、しっかりと用を足す。
そしてオモムロに立ち上がった瞬間、ビックリこいた。
「ザッー!!」
何と、自動的に水が流れるシステムなんだろうが、すごい音だ。
「川の洪水なのか?」
という位、大音響なのだ。
多分、音が響く構造だと思うが誰もいない真っ暗なトイレでこの響きを聞くとビビる。
松島にキャンピングカーで車中泊するには好適地だろうしびっくり体験を一度同じ経験をしてみたいという人にはお勧めしたい。
ただし、ライトは必要だ。
こんな楽しい経験をして明朝は久し振りに朝陽を見ようと早めに寝た。
5月31日(水) 2日目
5時前に起きたがどんよりとした曇り空で残念ながら期待していた朝陽は見れなかった。
ただ驚いたのは、こんな朝早く、一人の青年が車で乗り付けて駐車場でただ一人バスケットボールの練習をしているのを見たからだ。
「変わっているな~」
と思いつつ、そんな酔狂な青年と相通じるものがあるなと思った。
「青年よ、自分の好きなことをこれからも思う存分やれよ」
と心の中でエールを送った。
それからはコンビニで朝食をし、利府のイオンモールを気ままにウォッチングして帰宅した。
キャンピングカーの良さの一つは
「一人の時間を堪能できる」
「近くでも満足できる時間」を過ごせることだと思う。
それでは又!