購入記(その7)
キャンピングトレーラーを販売店で牽引の手ほどきを受けて、ハリアーにつなぐ。
いよいよ自分が運転して自宅まで行くのだ。それも練習なしに国道4号を北上する。まるで、ハングライダーを初めて飛行する時、山の頂上に行き、目の前は崖だけど
「じゃ、飛んでごらん。」
と言われるようなものだ。
でも自分で運転するしかない。意を決して出発する。
助手席の妻は、こころなしか顔がコワバッテいるような気がする。
ハリアーとトレーラーで長さ約11m!カーブは大きく曲がらないといけない。販売店を恐る恐る出た。うまく車道に出て、ふとバックミラーを見た。
「え!ぶつかる!!?」
いや、ぶつかるのではない。
トレーラーを繋いでいるので異常に「近い!」のだ。正に急接近した車がいるようだ。
慣れだろうが、最初乗った人は間違いなくそう思うだろう。
真っ直ぐ走る分には全く違和感はない。国道は基本、真っ直ぐの道路だから気持ちの余裕が出てくる。
対向車の視線とか感じると、正直「どうだ!」と、何がどうだか分からないがそんな気持ちになる。
そんなこんなで、ようやく自宅に着いた。
着いたが、これを駐車場に入れるにはどうするんだ。
いやはや、最初は難儀した。当然つなげたままでバック出来ないしかと言って牽引を外すのも大変だった。隣の人に手伝ってもらって人力で駐車場に入れた。
「うーん、こんなに大変だとは思わなかった」
というのが当時の正直な気持ちでしたね。
★トレーラーパンフレット

だが、手に入れた満足感は確かにあった。
トレーラーなりキャンピングカーを購入した人は多分やっていると思うが最初に外泊する前の「内泊」。
そう、駐車場に入れたままで試しにトレーラーに泊まる。私だけで泊まったがダブルベットは快適だった。これなら旅行に行っても大丈夫だと確信を得た。
さあ、いよいよ休みの日になりまずは試験運転とばかりに近くの駐車場の広い公園に行き駐車の練習をした。

「見事!」と言うしかない。
まるで、駐車になっていないじゃないか。
「難しい。」
佇んでいる妻が寂しそうだ。
何度も駐車スペースにバックで入れようとするのだが、「逆ハン」の状態なので思うようにバックできない。
取りあえず、写真は撮っておいた。
今になって見ると、いかに下手なのか証明した写真になってしまっているのだ。
この時、老夫婦に初めて声を掛けられた。
「私は定年になり初めてRVを買ったのですが、これはすごいですね~。」
いろいろ話をして、聞いてもいないのに「中を見ますか?」などと見学させて
「運転も慣れれば大丈夫ですよ。牽引免許も必要ないですしね。」
なんて「どのツラ下げて喋っているのだ!」と自分にツッコミを入れたくなる運転技術なのでした。
それでは、又!