8月1日(土)18日目
朝、6時に目が覚めた。
波の音がする。波打ち際から約50m位なので、けっこう音は大きい。
ただ、海風があるから幾分、かき消されているだろうし、決してうるさくない。
波の音を聞きながら眠り、目覚めるのは、とても普段出来ることではないし、とても贅沢な目覚めだ。
ココを目の前の芝生で遊ばせるのも、彼女にとっても嬉しいことだろうし、私もまるで笑顔そのままで,、はしゃいでいるのを見るのも嬉しいことである。
ココを散歩させて車に置いてから、一人で砂浜まで出てみた。
アイフォーンのビデオで、左から右へスパーンして撮ったが、どちら側も砂浜の途切れがない。それだけ、ずっと浜が伸びているのだ。
こんな素晴らしい景色を車に戻ってからも、中から、ずっと見ていた。
波の音の本当のBGM、心地よい潮風、ゆったりした時間。
これも私が求めていた空間、時間だ。
皆、それぞれに海を見にくるが、見ている時間が、非常に短いのに気が付いた。
ここに日本人の気質というか、ゆったりした時間を充分堪能しよう、という気質
がないのを感じる。
一様に「見る、記念撮影した、これで良し。」
と、ばかりに、すぐ引き上げるのだ。
「さあ、次に行かないと勿体ない。」
と、次つぎにスケジュールをこなしていく。
そう、それが日常での「習慣」だから休日も同じパターンでこなしていく。
だが、そういう私も、同じなのだ。
折角、北海道に来たからには、いろいろ見ないと損だ。という気持ちが、どうしても出る。
気に入った場所で何泊してもよいという条件がありながら、次に何処にいくか地図と睨めっこ、している。
身体に染みついた習慣は、すぐには取れないし、変わらないだろうが、これからは「空間、時間」をもっと楽しもうと思う。
話は一機に飛ぶが、道の駅に大型バスコンが泊まっていたのでちょっと写真を撮った。
この大きさにはびっくり。北海道でないと大変だろうなと思う。
「さあ、浜辺の自由な時間を充分堪能したから、出かけるか。」
今日は、釧路に戻り、メガネのレンズを再度取り付けてもらうのだ。
11時半頃、イオン内のメガネ店に着いて頼んだら、1時間かかるようなので、先に「食べログ」で調べたラーメンを食べに、市内に行った。
繁華街というか、飲み屋街の中にあり、店も古く、味はどうかなと思ったが、まあ絶品ではないが、それなりに美味しく、スープも残さず完食した。
イオンに戻り、メガネを「苦笑い」をして受け取った。(店長も呆れ顔)
今日はあまり走らないと決めて、近くの道の駅『阿寒丹頂の里』へ向かう。
向かいに『赤いベレー』という温泉があり、ここで入浴することにした。
その前にココを散歩に連れ出したが、良い散歩コースもあるようで、ゆっくりさせようかと思った瞬間、左腕に痛みが!
「アブ」だ!
蚊のように一応刺す時は止まって
「さあ、刺すぞ」
と、いう間があるが、アブはその間がない。アッと思ったら刺している。
まるで、
「お前を刺すのをジッと狙ってたんだかんな」
と、特攻隊のように狙いを定めて一直線に、わが腕に!
「これは、いかん!」
と、小走りに車に戻ろうとする脇を、猛ダッシュで追い越していく若者が!
ランニングの感じではない。間違いなくアブに刺されまいと、早く走ってきたのだ。
ホウホウの体で、車に戻り、こんな事もあろうかと毒虫、蛇等に噛まれた時に毒を吸引する「吸引器」をアマゾンで買って持ってきたのだ。
「はは、ざまぁみろ!」(誰にだ)と、ばかりに、「スポスポ」する私。
でも効果あったようで、その後、痛みも痒みもない。
「買って良かった。」
と一安心する。
ゆっくり、温泉に入って道の駅に戻り、レトルト「肉丼」と「さとうのごはん」と「カップ焼きそば」で夕食。
今日は、早く寝ようとトイレに行ったら、ベンチに腰かけて、ずっと、こちらを見ている男が一人。
(このベンチ)↓
そういえば、車にいた時も、ずっと見ていたなぁ。と、訝しんでいたら、その訳が分かった。
その男の見ていた先を振り返ると、そこには怪しげに、又荘厳に輝く「夕陽」が
「あった。」
その男は夕陽が沈むのを、ずっと見ていたのだ。
思わず私は、その情景をカメラ(アイフォーン)に収めた。
「久しぶりだなぁ、こんな夕陽をみたのは。」
と、心の中で言って、夕陽が沈むのをジッと見ていたあの男は、中々カッコいいなと思った。
夕焼けを見れて満足し、心地よい眠りについた。